
家庭菜園ランキング
11月に植え付けたい!初心者におすすめの野菜5選・徹底解説
11月の植え付けに最適で、初心者でも育てやすい野菜を5種類厳選し、それぞれの育て方を徹底的に解説します。単なる栽培マニュアルではなく、それぞれの野菜が教えてくれる「家庭菜園の重要な教訓」と共に、成功を目指しましょう。
ベビーリーフ:効率と豊かさのレッスン
ベビーリーフは、家庭菜園の最初の成功体験として最適な野菜です。少ないスペースと手間で、種まきからわずか1ヶ月ほどで収穫が始まり、その後も繰り返し収穫できるため、栽培の楽しさと効率を同時に学ぶことができます。サラダや料理の彩りとして、いつでも新鮮な葉を食卓に加えられる豊かさは、家庭菜園の大きな魅力です。
表1:おすすめのベビーリーフミックス品種
ベビーリーフの種は、様々な種類の葉物野菜が混合された「ミックスシード」として販売されています。自分の好みや用途に合わせてミックスを選ぶことが、楽しさを広げる第一歩です。
|
メーカー |
品種名 |
ミックス内容と特徴 |
こんな人におすすめ |
|
タキイ種苗 |
ガーデンベビー |
7種類のリーフレタスのミックス。赤色系と緑色系がバランス良く配合。苦みが少なく、口当たりが良いのが特徴。 |
サラダの彩りを重視し、マイルドな味わいを好む方。レタス好きに。 |
|
サカタのタネ |
ベビーサラダ・ミックス |
コマツナ、カラシナ、ノザワナなど8種類のアブラナ科野菜が中心。ピリッとしたアクセントが楽しめる。 |
料理のアクセントになる、少しスパイシーな風味を楽しみたい方。 |
|
サカタのタネ |
ガーデンレタスミックス |
5種類のリーフレタスのミックス。ベビーリーフだけでなく、大きく育ててリーフレタスとして収穫することも可能。 |
ベビーリーフと、将来的にリーフレタスとしても収穫したい、一石二鳥を狙う方。 |
育て方のステップ・バイ・ステップ

- 種まき
プランターや畑の土の表面を平らにならした後、種が重ならないように全体に均一に「ばらまき」します。あまり密集させすぎると、風通しが悪くなり病気の原因になるため、薄くまくのがコツです。特にレタス系のミックスは発芽に光を必要とする「好光性種子」なので、土は種が隠れる程度にごく薄くかけます。 - 水やり
種が流れてしまわないように、霧吹きやジョウロのハス口を上向きにして、優しく水を与えます。発芽するまでは土の表面が乾かないように管理します。 - 管理
日当たりの良い場所に置きます。冬の間は生育がゆっくりになりますが、日照があれば十分に育ちます。室内で栽培する場合は、窓際などできるだけ明るい場所を選びましょう。 - 収穫
草丈が10cm〜15cmになったら収穫のタイミングです。収穫方法には二通りあります。一つは、外側の大きな葉から順次かき取っていく方法。もう一つは、株元を3cmほど残してハサミで刈り取る方法です。どちらの方法でも、中心の生長点を残すことで、新しい葉が次々と生えてきて、長期間収穫を楽しむことができます。
プランター栽培のコツ
ベビーリーフには、深さよりも広さのある、幅60cm程度の標準的なプランターが適しています。プランターの一部分ずつ、1〜2週間おきに時期をずらして種をまく「ずらしまき」を行うと、常に新鮮なベビーリーフを収穫し続けることができ、家庭菜園の効率を最大限に高めることができます。
ホウレンソウ:品種選びのレッスン

ホウレンソウは、冬を代表する野菜であり、寒さに当たることで甘みが増し、栄養価も高まるという特徴を持っています。ホウレンソウ栽培の成功は、夏の暑さに強い品種、病気に強い品種など、季節や目的に合った「品種を選ぶ」という、家庭菜園の基本にして最も重要なスキルを教えてくれます。11月にまくのであれば、耐寒性に優れた秋冬まき専用の品種を選ぶことが絶対条件です。
表2:11月まきにおすすめのホウレンソウ品種
|
メーカー |
品種名 |
特徴 |
こんな人におすすめ |
|
タキイ種苗 |
寒兵衛 (かんべえ) |
耐寒性に優れ、低温による軸割れが起きにくい。生育がじっくりで冬どりに最適。べと病レース1-15,17,19に抵抗性を持つ。 |
寒さが厳しい地域の方や、じっくり育てて甘みを最大限に引き出したい方。病気対策を重視する方に。 |
|
サカタのタネ |
ソロモン |
暑さ・寒さに強く、育てやすい初心者向き品種。べと病にも強く、安定して作りやすい。 |
初めてホウレンソウに挑戦する方。失敗の少ない、オールラウンドな品種を求める方に。 |
|
サカタのタネ |
クロノス |
耐寒性・耐湿性が強く、暖地なら無被覆でも越冬可能。生育旺盛で作りやすく、万人向け。べと病への抵抗性も幅広い。 |
プランター栽培で湿気が気になる方や、できるだけ手間をかけずに育てたい方。 |
育て方のステップ・バイ・ステップ
種まきの準備
ホウレンソウの種は硬い殻に覆われており、休眠物質が付着しているため、そのまままくと発芽が揃いにくいことがあります。種をまく前日に、一晩水に浸しておく「浸水処理」を行うことで、休眠から覚め、発芽率が格段に向上します。
種まき
深さ1cmほどのまき溝を10cm〜15cm間隔で作り、その溝に沿って1cm〜2cm間隔で種をまく「すじまき」が基本です。土をかぶせた後は、板などで軽く鎮圧し、土と種を密着させると発芽が安定します。
間引き
ホウレンソウを丈夫に育てるための最重要作業が間引きです。葉が混み合うと、日当たりや風通しが悪くなり、ひょろひょろとした弱い株になってしまいます。
- 1回目: 双葉が開き、本葉が見え始めた頃に、株間が3cm程度になるように生育の悪いものを抜き取ります。
- 2回目: 本葉が3〜4枚になった頃に、最終的に株間が5cm〜6cmになるように間引きます。間引いた若葉は、ベビーリーフとして美味しく食べられます。
追肥
2回目の間引きが終わったタイミングで、1回目の追肥を行います。列と列の間に化成肥料をぱらぱらとまき、軽く土と混ぜて株元に土寄せします。草丈が10cmほどに育ったら、2回目の追肥を行うと、さらに葉が肉厚になります。
プランター栽培のコツ
ホウレンソウは根をまっすぐ下に伸ばす「直根性」の野菜です。そのため、プランターは深さが20cm以上あるものを選びましょう。プランターは畑に比べて乾燥しやすい一方で、水のやりすぎによる過湿にもなりがちです。水やりは、土の表面が乾いたことを確認してから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。
小カブ:プロセスを遵守するレッスン

小カブは、種まきから1ヶ月半〜2ヶ月という短期間で収穫でき、根の部分だけでなく葉も美味しく食べられる、非常に魅力的な野菜です。しかし、あの美しい丸い形を作るためには、「間引き」という、一見するともったいなく感じる作業を、適切なタイミングで的確に行う規律が求められます。小カブ栽培は、プロセスを忠実に守ることの重要性を教えてくれます。
表3:おすすめの小カブ品種
表3:おすすめの小カブ品種
|
メーカー |
品種名 |
特徴 |
こんな人におすすめ |
|
タキイ種苗 |
CRゆきばな |
根こぶ病に強い耐病性品種。肉質は緻密で食味が良い。低温期でも肥大しやすく、秋~春どりに最適。 |
過去にアブラナ科野菜の育ちが悪かった畑(根こぶ病の可能性)を持つ方。安定した収穫を目指す方に。 |
|
サカタのタネ |
二刀 (にとう) |
甘みが強く、す入り(根の内部がスポンジ状になること)が遅い。病気に強く育てやすい。生育が比較的ゆっくりなので、収穫遅れの心配が少ない。 |
忙しくて収穫が遅れがちな方。甘くて美味しいカブを確実に作りたい初心者の方に。 |
|
サカタのタネ |
あやめ雪® |
肩の部分が美しい紫色で、中は真っ白。見た目が美しい。肉質は緻密で甘みが強く、サラダなどの生食にも向く。 |
サラダや漬物など、料理の彩りを楽しみたい方。家庭菜園ならではの珍しい野菜を作りたい方に。 |
育て方のステップ・バイ・ステップ
種まき
ホウレンソウと同様に「すじまき」で行います。深さ1cmのまき溝に、1cm間隔で種をまいていきます。覆土は厚くなりすぎないように注意しましょう。
間引き
これが最も重要な作業です。間引きをためらうと、カブ同士が競合してしまい、根が十分に肥大せず、細長い形のままになってしまいます。苗を捨てるのではなく、選ばれた株が大きく育つためのスペースを確保する作業だと考えましょう。
- 1回目: 双葉が開いた頃、株間が3cmになるように間引きます。
- 2回目: 本葉が2〜3枚の頃、株間が5cm〜6cmになるように間引きます。
- 3回目: 本葉が5〜6枚の頃、最終的に株間が10cm〜12cmになるように間引きます。
追肥
小カブは栽培期間が短いため、元肥をしっかり入れていれば追肥は必ずしも必要ありません。ただし、葉の色が薄いなど生育が思わしくない場合は、2回目の間引きの後に化成肥料を少量施すと効果的です。
収穫
根の直径が5cm〜6cmになったものから順次収穫します。収穫が遅れると、根に「す」が入って食感が悪くなったり、表面がひび割れる「裂根(れっこん)」の原因になったりするため、適期収穫を心がけましょう。
プランター栽培のコツ
カブの根が十分に育つスペースを確保するため、深さが15cm〜20cm以上のプランターが必要です。プランター栽培では土が乾燥しやすく、水切れは裂根の大きな原因となります。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えることを徹底し、水分を一定に保つことが美しいカブを育てる秘訣です。
スナップエンドウ:構造を計画するレッスン

スナップエンドウは、秋の少しの手間が、春に大きな喜びとなって返ってくる野菜の代表格です。パリッとした食感と甘い豆は、春の訪れを告げる味覚と言えるでしょう。しかし、その収穫を確実にするためには、つるが伸びる前に「支柱立て」という構造を計画し、設置する必要があります。スナップエンドウ栽培は、先を見越した計画の重要性を教えてくれます。
表4:おすすめのスナップエンドウ品種
スナップエンドウには、つるが長く伸びる「つるあり種」と、草丈が低い「つるなし種」があります。栽培スペースやかけられる手間を考慮して、自分のスタイルに合ったタイプを選びましょう。
|
メーカー |
品種名 |
タイプ |
特徴 |
こんな人におすすめ |
|
タキイ種苗 |
グルメ |
つるあり |
莢が9cm〜10cmと長く、肉厚で甘みが特に強い。莢つきが良く、たくさん収穫できる。 |
収穫量を重視する方。畑や、しっかりした支柱を立てられるスペースがある方に。 |
|
サカタのタネ |
つるなしスナック2号 |
つるなし |
草丈が60cm〜80cmとコンパクト。プランターでも作りやすく、うどんこ病に強い。 |
ベランダなど省スペースで栽培したい方。支柱立ての手間を減らしたい初心者の方に。 |
育て方のステップ・バイ・ステップ
種まき
1ヶ所に3〜4粒の種を、深さ2cm〜3cmにまく「点まき」をします。エンドウ豆は鳥の大好物で、種まき直後に食べられてしまう被害が非常に多いです。種まきをしたら、必ず不織布や防虫ネットをかけて鳥から守りましょう。これは初心者が失敗しやすい重要なポイントです。
冬越し
スナップエンドウ栽培の鍵は、冬の越し方です。種まきが早すぎて冬前に大きく育ちすぎると、耐寒性が弱まり、寒さで枯れてしまいます。逆に、種まきが遅すぎると、十分に根を張れずに冬を越せません。草丈10cm程度の小さな苗の状態で冬を越すのが理想的です。この小さな姿でじっと寒さに耐えることで、春からの力強い成長の準備をしています。
支柱立て
春になり、つるが伸び始めたら支柱を立てます。草丈が20cmくらいになったタイミングが目安です。つるあり種の場合は高さ1.5m〜2m、つるなし種でも1.2m程度の支柱を用意します。支柱を立て、ひもやネットを張ってつるが絡みつく場所を作ってあげます。
収穫
開花から20日ほど経ち、莢がふっくらと膨らみ、きれいな緑色になったら収穫適期です。収穫を続けることで、次々と新しい花が咲き、長期間収穫を楽しむことができます。
プランター栽培のコツ
幅65cmの標準的なプランターであれば、2〜3株を育てることができます。深さは、支柱を安定させるためにも30cm以上ある深型のプランターを選びましょう。支柱は、プランターの四隅と中央に数本の支柱を立て、ひもを周りに巡らせる「あんどん仕立て」や、支柱同士を交差させる「合掌式」が簡単で安定します。
タマネギ:賢いスタートを切るレッスン

タマネギは、一度植え付ければ、春の追肥までほとんど手がかからない、まさに「植えて待つ」タイプの越冬野菜です。6月の収穫を成功させるための秘訣は、複雑な手入れではなく、11月の植え付け時に「最高の苗を選ぶ」という、たった一つの選択にあります。タマネギ栽培は、物事の成否がいかに最初のスタートで決まるかを教えてくれます。
専門家が教える「良い苗」の選び方
タマネギの苗は、品種名よりも「早生(わせ)」「中生(なかて)」といった収穫時期のタイプで販売されていることがほとんどです。どのタイプを選ぶかよりも、個々の苗の状態を見極めることが重要です。以下のチェックリストを参考に、最高のスタートを切りましょう。
- 太さ
鉛筆くらいの太さ(直径4mm〜6mm)が理想的です。これより細い苗は冬の寒さで枯れてしまう可能性があり、逆に太すぎる苗は春先に花が咲いてしまう「トウ立ち」を起こし、玉が大きくならない原因となります。 - 根
根元が白く、しっかりとした根がたくさん生えている苗を選びます。この豊富な根が、冬の間に土にしっかりと活着し、春からの成長の原動力となります。 - 葉
葉の色が濃い緑色で、ピンと張りのある苗が健康な証拠です。黄色がかっていたり、しなびている苗は避けましょう。
育て方のステップ・バイ・ステップ
植え付け
選んだ苗を、深植えにならないように注意して植え付けます。苗の白い部分が隠れる程度の浅植えが基本です。株間は15cmほど確保します。
冬の管理
冬の間は特別な管理はほとんど必要ありません。土が過湿にならないように排水に気をつける程度です。霜で土が持ち上がり、苗が浮いてしまった場合は、軽く手で押さえて土と密着させます。
追肥
冬を越え、春になって葉が再び成長を始めたら、玉を太らせるための栄養補給が必要です。12月下旬頃と、2月下旬〜3月上旬頃の2回、化成肥料を株の周りにまきます。この追肥が、収穫量を大きく左右する重要な作業です。
収穫
6月頃になり、葉の8割ほどが自然に黄色く変色し、倒れたら収穫のサインです。天気の良い日に抜き取り、葉を付けたまま数日間、畑で乾燥させると保存性が高まります。
プランター栽培のコツ
タマネギの玉が十分に大きくなるスペースを確保するため、深さが25cm以上ある大型のプランターが必要です。プランター栽培では土の量が限られているため、栄養や水分が不足しがちです。春先の追肥は、畑栽培以上に重要な作業となります。忘れずに施しましょう。
おわりに:冬を越えて、春の食卓を豊かに
11月の静かな庭で土に触れ、小さな種や苗を植え付けることは、未来への投資に似ています。厳しい冬を乗り越えた野菜たちが、春の光を浴びて輝く姿を収穫するとき、それは単なる食材以上の、時間と手間をかけたからこそ得られる特別な喜びをもたらしてくれるでしょう。
今回ご紹介した5種類の野菜は、それぞれが家庭菜園の楽しさと奥深さを教えてくれる素晴らしい教師です。まずは気になった野菜を一つか二つ、プランター一つからでも始めてみてください。冬の間に静かに育つ生命を見守り、春にはその恵みを味わう。このサイクルは、季節の移ろいを肌で感じさせ、日々の食卓を、そして生活そのものを豊かにしてくれるはずです。

コメント